- じゃ
- I
じゃ(助動)〔「である」の語尾「る」が脱落した「であ」の転。 中世後期以降, 主として京都を中心とした関西地方で用いられる〕体言, 副詞, 一部の助詞, 活用語の連体形などに接続する断定の助動詞。(1)話し手の断定的な判断を表す。 …である。
「名は県なれども, 実は大なほどに郡〈ぢや〉ぞ/史記抄 11」
(2)副詞を伴って疑問・質問の意を表す。 …であるか。「阿闍梨を始め三千の坊主どもを還俗させ, 牛飼ひ舎人に使はうか, どう〈ぢや〉どう〈ぢや〉と睨めつくる/浄瑠璃・愛護若塒箱」
(3)連体修飾語となって資格・身分などを表す。 …に当たる…。 …であるところの…。「先度, おぢ〈ぢや〉人ののしつけを借つてきた/狂言・腥物」
〔断定の助動詞「だ」も同じ「である」から出たもので, 中世末期から近世を通じて, 「じゃ」が関西, 「だ」が関東と, 方言的対立を示して用いられ, 現代に至る〕~=知らぬ(=知れぬ)疑いいぶかる気持ちを表す。 …なのだろうか。 …だかわからない。II「とがは何〈ぢや〉しれぬが, 勝二郎は追放で/浄瑠璃・淀鯉(上)」「何〈ぢや〉知らぬが, やれ腹を引さく, はと呻く/浮世草子・色三味線」
じゃ[ヂヤ](接続)⇒ じゃあ(接続)IIIじゃ[ヂヤ](連語)⇒ じゃあ(連語)IVじゃ【蛇】(1)へび。 おろち。 うわばみ。「鬼が出るか~が出るか」
(2)大酒飲み。 蛇之助(ジヤノスケ)。「どちらへ似ても~の子孫/浄瑠璃・淀鯉(上)」
~が蚊を呑(ノ)んだようあまりに少量で, 腹の足しにならないことのたとえ。~の道は蛇(ヘビ)同類の者は互いにその事情に通じている, ということ。~は一寸(イツスン)にして人を呑(ノ)む蛇は一寸ほどのときから人を呑む勢いを示す。 すぐれた人は幼少の頃から他人を圧倒するものがある。 栴檀(センダン)は双葉より芳(カンバ)し。Vじゃ【邪】正しくないこと。 よくないこと。 また, その人。⇔ 正「~は正に勝たず」
Japanese explanatory dictionaries. 2013.